自動車を保持している人は必ず車検を受けなければなりません。
車検は任意ではなく、義務です。新車で購入した場合には購入日より3年後、以降は2年に一度受けます。
中古車の場合は、購入日ではなく、車体に残されている車検次第になりますので、購入してすぐに車検を受けるくらいであれば、車検の残り期間が長い中古車を買った方が得です。
ちなみに車検を受けずに公道を走ると、道路運送車両法により、6カ月以下の懲役、又は30万円の罰金で違反点数が6。

自賠責保険が切れている自動車を公道で走行した場合、自動車損害賠償保障法により、90日の免許停止と1年6カ月以下の懲役、又は50万円以下の罰金。そしてこちらも違反点数が6。

車検が切れているけど自賠責だけは払っている、あるいはその逆はまず有り得ませんので、両方同時に違反するケースが一般的ですので、最大値は80万円の罰金と、12点の違反点数となります。

ちなみに一発で12点マイナスになると、前歴がなくとも免許停止になります。前歴がある場合、免許の取り消しになる可能性もあるので、車検はとても大切ですが、車検について、あまりよく分かっていない方も多いのではないでしょうか。

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車検費用

車検に必要な費用は自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料。これはどこで受けても必須です。
ユーザー車検の場合、手間がかかりますがこれだけで済みます。一方、ディーラーやカーショップに依頼した場合、ここから工賃が加算されます。
そして、工賃に関しては各々異なりますので、安さを求めるのであれば、安く請け負ってくれる業者を探す事になりますが、車検を受けると特典を付けてくれる所もあります。
ガソリンスタンドでも車検を受け付けていますが、車検を受ける事によってガソリンが割引になる所もあれば、カーショップであれば次の車検までのオイル交換を無料で行ってくれるなど、何かしら特典が用意されています。
値段の安さだけではなく、特典もまた、チェックポイントになります。

自賠責保険料、検査手数料

これらに関しては、どこでどのような形で受けても同一金額になります。つまり、カット出来ない部分です。
検査手数料は車検の普通乗用車であれば小型で1,700円、普通で1,800円になります。ちなみにここでの「小型」とは、「乗用車の中での小型」であって、軽自動車は含まれません。いわゆる5ナンバーが小型で、3ナンバーが普通車と考えて良いでしょう。
軽自動車は「軽自動車」という区分となり、1,400円になります。
自賠責に関しては、車検時に2年分支払うのが一般的です。
こちらは自家用乗用車では27,840円、軽自動車で26,370円になりますが、車検が切れている車の場合「25か月分」支払う事になりますので、普通乗用車が28,780円、軽自動車が27,240円になります。

24か月自賠責  検査手数料
軽自動車    26,370円  1,100円
3ナンバー    27,840円  1,700円
5ナンバー    27,840円  1,800円

この二つに関してはユーザー車検であれ、ディーラーであれショップであれ、どこで受けても必ず支払うものです。

・重量税
重量税に関しては、自動車の重さによって決まります。こちらも必ず支払わなければならないものではあるのですが、「重量税」という名前からも分かるように、車体の重さによって税金が変わります。
とはいえ、基本的に自動車は大きい方が重いので、「大きければ重量税が高い」と考えて良いでしょう。
自動車を購入するさい、「エコカー減税対応」「燃費基準達成」などと書かれている車もありますが、それらは重量税が安くなる事を意味しています。
重量はどこで確認するのかというと、車検証に表示されています。
その区分と、経過年数によって変わってきます。
2年分を一覧にしてみると、

エコカー減税適用          エコカー減税無し
免税   75%減  50%減    エコカー 12年未満  13年経過  18年経過
軽自動車    0円  1,200円 2,500円   5,000円  6,600円    7,800円  8,800円
0.5トン以下   0円  1,200円  2,500円   5,000円  8,200円   10,800円  12,600円
〜1トン     0円  2,500円  5,000円   10,000円 16,400円   21,600円  25,200円
〜1.5トン    0円  3,700円  7,500円   15,000円 24,600円   32,400円  37,800円
〜2トン     0円  5,000円  10,000円   20,000円 32,800円   43,200円  50,400円
〜2.5トン    0円  6,200円  12,500円   25,000円 41,000円   54,000円  63,000円
〜3トン     0円  7,500円  15,000円   30,000円 49,200円   64,800円  75,600円
となっています。
車検証の重量欄をチェックし、更に自分の自動車には減税が適用されるのかどうか、何年乗っている車なのかこれらによってどこに当てはまるのかが分かるはずです。
これらを合わせた額。つまり、自賠責+重量税+検査手数料。これはどこで受けても必ずかかります。
ディーラーやカーショップ、整備工場などの車検でも、結局はこの額を支払った上で、それぞれの工賃や手数料等が必要になります。

・車検を受ける場所と特徴
車検はいろいろな場所で受けられるようになっているのですが、そこで受けるのか。また、ユーザー車検という手もありますが、それぞれ特徴が異なります。
「車検に対しての考え方」というと大げさですが、それらを理解しておいた方が、自分自身のニーズはどこで受ける車検が良いのか分かります。

カーショップでの車検

カーショップでの車検のコンセプトは、「車検を通す」です。

車検は車を見せれば良い訳ではなく、適合基準があります。例えばタイヤであればどれくらいの溝があればOKなのか規定があります。

タイヤだけではなく、どのパーツにも車検を通る上での「規定値」が設けられています。ここでポイントになるのが、規定値は「車検に通過出来る数値」であって、「快適なドライブを約束する数値」ではありません。

車検に通さなければ、冒頭でお話したような法律違反になって免許が無くなってしまうので、とにかく車検には通さなければなりません。カーショップの場合、「快適なドライブ」ではなく「車検に通るか否か」をチェックします。

もちろん、ユーザーの要望があれば応えてくれますが、逆に言えば、「車検だけ通してくれればそれでいい」と思っているのであれば、基準を満たしているものの、あと少しでダメになるなと思うようなパーツは何もしません。

頻繁に自動車のメンテナンスをする人にとっては、パーツ交換等はその都度行えば良いので、このような手法でも問題ないのですが、普段あまり自動車を弄らない人にとっては、少々心許ないでしょう。

工賃に関しては、一覧表などで表示してくれていますが、15,000円前後で引き受けてくれる所が多いので、先に出した重量税+自賠責保険料+検査手数料に、工賃。必要であればパーツ交換代になります。

ディーラーでの車検

ディーラーでの車検のコンセプトは「快適なカーライフ」です。

とにかく車検にさえ通れば良いとするカーショップに対し、ディーラーは車検に通るだけではなく、「快適な運転が可能なのか」を判断します。

例えばタイヤがかなり減っている場合、カーショップであれば交換なしでも、ディーラーの場合は交換した方が良いと言われるかもしれません。タイヤによって車の乗り心地など、いろいろと違いが出てきます。カーショップであれば「車検に通るからOK」でも、ディーラーは「乗り心地に支障をきたすので変えましょう」になります。

もちろんこれはタイヤだけではありません。どのようなパーツも、ディーラーは早めに交換します。

自動車の部品だけではなく、どのような部品も新品の方が機能性が高いです。「ディーラーでの車検はお金がかかる」と言われているのはそのためです。「まだまだ使えるのでは?」と思うようなパーツであっても、交換するので費用が高くなりがちです。なぜなら、交換するパーツの費用は自己負担です。

ですが、安全性は高くなりますので、自動車の事はあまりよく分からないという人にとっては、ディーラーでの車検が良いでしょう。お金はかかりますが、手間もかかりませんし、何より安全性が高まります。

ユーザー車検

ユーザー車検は、自分で陸運局まで車を持って行き、そこでチェックします。

カーショップやディーラーでの車検で必要になる工賃の部分をカット出来ますので、とにかく安く抑えたい人にとってはユーザー車検は魅力的です。

かかる費用は自賠責保険料+重量税+検査手数料。これだけで良いのですが、ユーザー車検だからといって検査基準が甘くなる訳ではありませんので、例えばタイヤが基準値よりもすり減っているのであれば、タイヤを交換しなければなりません。

どこかで車検に適合するタイヤを購入し、自分でタイヤを交換しなければなりません。

つまり、ユーザー車検は「どこも交換する部分がない」場合には、工賃をカット出来る良い手段になりますが、パーツ交換する場合は部品代は自己負担になりますし、パーツ交換する部品が多ければ多い程手間がかかります。

多少であれば自分で出来る事でも、何カ所も交換しなければならないケースや、交換するのが面倒な部分の交換の場合、ディーラーやカーショップに依頼した方が良いのではと思うケースも出てくるでしょう。

検査そのものは、多少の知識は必要になりますが、手順等も示されていますので、難易度そのものは決して高くはありませんし、時間も仮に何も交換しないのであれば30分程度で終了します。

ですが、交換するパーツがたくさん出てきたり、他にも多くの人がいる場合には待ち時間や手間の時間がかかりますし、車検場までの往復時間もあります。家の隣とかであれば物凄くお得ですが、往復数時間もかかるような場合には、時間も工面しなければなりません。

大まかな流れとしては、

  1. 予備検査場にて調整
  2. 運輸支局にて自動車検査票、自動車重量税納付所継続検査申請書の購入と作成
  3. 自動車重量税、検査手数料の支払い
  4. 自賠責保険継続加入手続き
  5. 納税確認
  6. 車検受付
  7. 検査コースにて受験
  8. 車検証交付

という流れになります。

1.予備検査場にて調整

運輸支局の近くには、大抵車検項目と同じ内容の検査を行ってくれる民間検査場があります。こちらは誰かが行ってくれるのではなく、場所を借りての最終調整になることが多かったのですが、今ではユーザー車検の人も増えたためお金を支払えばやってくれるような場所も多いです。

陸運支局の近くにはこの予備検査場がかならずあります。

サイドスリップの検査と調整。ブレーキ、スピートメーター、ライトの光軸、排気ガス検査。これらを行っておきましょう。料金は場所によって異なるのですが、1,500円から3,500円。また、予約しなければならない場所もあれば、一般お断りの所もありますので、事前に確認しておいた方が良いでしょう。

もしもですが、こちらで調整不能な不具合が発見された場合、まず車検には通過出来ないでしょう。予備検査場のスタッフに相談してみるのも手ですが、車検場で検査を行っても通過する可能性は限りなく低いです。

車検の書類作成

・運輸支局にて自動車検査票、自動車重量税納付所継続検査申請書の購入と作成
・自動車重量税、検査手数料の支払い
・自賠責保険継続加入手続き
・納税確認

書類に関しては陸運支局で全て行うことが可能です。書類についても基本的には現場で全てもらうことも可能。

これらに関しては書類を作成し、印紙料金を支払うだけです。ちなみに、書類作成が面倒であれば、運輸局近辺には大抵代書屋がありますので、そちらで作成してもらう選択肢もあります。

ですが、運輸支局内には見本も掲載されていますし、時間制限もありません。見本を見ながら自分で作成出来る簡単なものです。しかもそのあたりのスタッフに聞けば結構わかりやすく教えてくれますよ。

料金等の支払も、それぞれの書類に張り付ける分の印紙・証紙を購入するのですが、こちらでポイントになるのは、重量税です。自分の車検証の重量を確認し、証紙を購入しましょう。こちらに関しても分からなければスタッフに聞けば丁寧に教えてくれます。

納税確認は、それらの書類を作成し費用を支払えば証明書をもらえますので、こちらは特に問題ないはずです。場所によっては自動で発行してくれる券売機のようなもの(ATMみたいな感じです)があってそれで納税証明書を発行してくれるところもあります。

車検受付

それまでに作成したりもらった書類一式を提示し、車検の受付を行います。予約を行っている場合には予約番号を窓口で告げましょう。

仮にですが、書類に不備があるとここから先に進めません。今一度書類を確認しましょう。ですが、不備があれば丁寧に教えてくれますし、罰則が科せられるものでもありません。

スタッフに「ここをこうして」といった形で指摘されるだけですので、こちらに関しても特に問題ありません。

検査コースにて受験

自動車に載ったら検査コースにて受験を行うのですが、ここがユーザー車検の「山場」です。書類作成は見本を見れば作成出来ますが、ここからは車の状態が問われます。チェック項目は以下になります。

同一性の確認、外回り検査、サイドスリップ検査、ブレーキ検査、スピードメーター検査、ヘッドライト検査、排気ガス検査、下回り検査。

車検証や申請書類の記載内容と合っているのか、健全に運転出来る状態か、外観は問題ないのか、何も漏れていないのか。これらをチェックする事になります。

ディーゼル車の場合、排気ガス検査ではなく、ディーゼル車専用の排気ガス検査を行うので、ディーゼル車のオーナーは覚えておきましょう。

先に挙げた順にチェックしていくのですが、自動車のボンネットを開けて車検証を提出。ここからチェックが始まり、車に乗って動かしたり、ライトを点けたりと項目をチェックしていきます。

ここで気を付けるのは、1回の検査申請で検査コースには3回までの入場制限が設けられています。どこかで異常が出たら問題の箇所をチェックし、修正出来るのであれば修正して再度チェックを受けられるのですが、それらは3回までです。

3回以上チェックに引っ掛かったら、残念ながら再び書類の作成からやり直しです。
かなり面倒になりますので、出来れば予備検査場でチェックし、万全の状態で検査を受けたい所。見切り発車の場合、ここで3回以上足止めを食らい、結局一日無駄になってしまう可能性があります。

印紙などに支払いをもう一度しないといけないわけではありませんおでご安心ください。

車検証交付

全ての検査で問題が無ければ審査結果通知欄に押印され、無事に車検証交付となります。

日ごろからメンテナンスを行っていれば、決して難しいものではありません。慣れていないため、難しいものだろうと思っている人も多いのですが、あくまでも検査です。自動車の状態が万全であればとても簡単です。

自動車の事がよく分からない人でも、とにかく分からない事があればスタッフ・係員に聞けばよいので、難易度は高くはありません。

スタッフや係員に聞いてはならないとなると、難易度が一気に高まりますが、スタッフ・係員も質問に対して親切にレクチャーしてくれますので、分からない事があれば聞けば良いだけです。

この説明からも分かると思いますが、基本的な事だけになりますので、自分自身で車を分解したり、電飾関連を配線したりといった専門的な事さえしませんので、ユーザー車検は、実際には決して難しいものではありません。